2017-09-17 知らないけど身近な味 現実のこと 疲れてるときに混ぜ物の発泡酒を飲むと、ディストピア系のSF小説に出てくる下級市民が飲む安酒のような味がする。 まるで工業用アルコールのような、鼻に抜ける異様な匂い。嗅いだことのある匂いだが、どこで嗅いだのか定かでない。 路地裏を歩くと、傍らに転がるガロン缶。なにか溶剤が溢れている。近づいてみると、頭が痛くなるようなツンとした臭いのなかに、わずかにアルコールの香り―― いったい私がいま手に持っている発泡酒は、何から合成されたアルコールなんだろう…そんなことを考えながら飲む。