訥々

椅子に座って夢の話をします。

発電するフカ

夢に出てきた発電装置に、フカと呼ばれるものがあった。

それは真っ白で、巨大なジンベエザメのハリボテのような見た目をしており、和紙のような素材でできていた。(フカの呼び名はサメが由来なのかもしれない)

大きく口を開けたフカが大地すれすれを進むことで、内部を抜ける風が発電する仕組みらしい。

私はフカの姿勢制御を担当していて、その日はフカの実証実験だった。

黄金に輝く小麦畑。丘から降りてくる強い風を飲み込みながら、巨大なフカはゆっくりと西へ向かう。青い空の下を悠然と泳ぐフカの様子はどこか牧歌的だ。

電気はとうの昔に廃れたエネルギーなのに、どうしても我々は発電装置を作ってしまうね、と同僚たちと話していた。