ネコのあくびの開始点と終了点
ネコの「あくび始まり」と「あくび終わり」の定義に関するカンファレンスに参加する夢を見た。
会場はダブリンで、飛行機を乗り継いだ。
カンファレンスでは、各国の研究者からネコのあくびに関する最新の研究成果が発表されていた。
ちなみにあくびの開始点・終了点についての議論は意外にも紛糾し、侃侃諤諤のカンファレンスは結論を持ち越したまま閉会した。
発電するフカ
夢に出てきた発電装置に、フカと呼ばれるものがあった。
それは真っ白で、巨大なジンベエザメのハリボテのような見た目をしており、和紙のような素材でできていた。(フカの呼び名はサメが由来なのかもしれない)
大きく口を開けたフカが大地すれすれを進むことで、内部を抜ける風が発電する仕組みらしい。
私はフカの姿勢制御を担当していて、その日はフカの実証実験だった。
黄金に輝く小麦畑。丘から降りてくる強い風を飲み込みながら、巨大なフカはゆっくりと西へ向かう。青い空の下を悠然と泳ぐフカの様子はどこか牧歌的だ。
電気はとうの昔に廃れたエネルギーなのに、どうしても我々は発電装置を作ってしまうね、と同僚たちと話していた。
夢の住人との会話
私は普段、文字を読むのが遅い。目を滑らせると文字もふよふよ動いてしまうので、定規や付箋を補助に使うことが多い。
昼寝をしていると、夢の中でとてもスラスラと小説が読めて気分が良かったことがあった。
あんまりスラスラと読めるので嬉しくなり、隣で新聞を読んでいた人にそのことを伝えた。
たしか私はこう言ったと思う。「夢の中だから文字がよく読める」すると隣の人は怪訝な顔をして、「これが夢なわけないでしょう」とこたえた。
あんまり怖い顔で言うので、私も失礼なことを言ったかな、と思ったが、「これは夢だ」と思っていたので、すこしムキになって「いや、これは夢ですよね」と返した。
すると私の視野が後方へ引っ張られて、視界が開けた。そこには私を取り囲むようにして、数人、老若男女が佇んでいた。
皆どうしてか落ち着かない様子で周囲を警戒していた。状況を理解していないのは私だけのようだった。しかし自分が失言をしてしまったのだ、ということは分かった。
「やっぱり読めないです。私は文字がよく読めないみたい」と言うと、皆、安心したように散っていった。
そのとき読んでいた本は実際に私の本棚に存在しているので、起きたらまた読んでみようと思った。
夢から覚めて、しばらくぼんやりしたあと、私は本棚を探した。夢でスラスラ読めたその小説はロシアのSF小説で、翻訳がすこし読みづらいな、と思っている本だった。
夢の中なら原著を読めたりしないのかな。
虫除けスプレーを探す
夏の夕暮れに庭の花に水やりをする。すると蚊がよたよたと寄ってきて、私の腕のあたりでホバリングした。
刺されると厄介だな、と思って、部屋に戻り、虫除けスプレーを探す。
たしかすごくよく効くものがあったはず。
どこで見たんだっけな。たしかパッケージは赤色で、なぜかコーヒーのロゴが入っていた。最近そのスプレーを使ったときの記憶をせっせと手繰り寄せる。
たしかそのスプレーを使ったのは、懐かしい友人が自宅を訪ねてくれた日だった。見せたい花があって、庭に出るときにそのスプレーを相手に手渡した。でもそれはたしか、夢の中の出来事だったと思う。
結局その変なパッケージのスプレーは見つからず、いつも使っている青いパッケージのスプレーを使った。
青い虫除けスプレーも充分に効果があるけど、あの赤くてコーヒーのロゴが入った虫除けスプレーも、実際にどこかにあるんじゃないのかな、と思ってつい探してしまう。